劇団四季「パリのアメリカ人」KAAT神奈川芸術劇場劇場にて|華麗なダンスに夢心地

コンサート・観劇
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こんにちは、かてぃあです。

 

先日、横浜のKAAT神奈川芸術劇場にて、劇団四季の「パリのアメリカ人」を鑑賞してきました。

「パリのアメリカ人」は、劇団四季の最新作のため、前評判もわからず、どんな感じだろう?と思っていましたが、さすが劇団四季!期待を裏切らない、おしゃれで素敵な舞台でしたよ。

とりあえず様子見をしている方、是非観に行ってください!感動すること間違いなしです。

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劇団四季「パリのアメリカ人」|作品とこの日の配役について

この作品は、ジーン・ケリー主演で、1951年第24回アカデミー賞作品賞始め6部門受賞した映画「巴里のアメリカ人」に想を得たミュージカルです。

舞台化されパリで2014年に公演がスタートし、翌年アメリカ・ブロードウェーで上演され、2015年トニー賞も受賞した作品です。

振付・演出は英国ロイヤル・バレエ団で『不思議の国のアリス』等のバレエ作品を手掛けたクリストファー・ウィールドン氏が担当しています。

日本版は、今回の劇団四季によるものが初めてのようで、2019年1月東京公演から上演スタートし、ここ横浜での公演は2019年3月19日〜8月11日です。

 

この作品はガーシュイン兄弟の名曲に乗って、バレエを中心とした華麗なダンスが繰り広げられます。

 

この日の配役は次の通りでした。↓↓↓

この日のジェリー・マリガン役は酒井大さん。

ジェリー役でキャストされた4人の中で唯一劇団四季所属ではなく外部参加の方でした。

酒井さんは、谷桃子バレエ団に所属されているバレエダンサーで、劇団四季は初参加、これまで数々のバレエ公演に出演して多くの賞も受賞しているということです。

バレエは踊りと演技力が必要ですが、ミュージカルは更に歌唱力も求められるので、多くの実力ある劇団四季所属の役者さんを差し置いてオーディションに合格するなんてバレエの技術はもちろん、演技力、歌唱力共に実力のある役者さんなのだと思います。

最初から最後まで、彼の、軽やかでしなやかでダイナミックなダンスに釘付けでした。

 

 

ヒロインのリズ・ダッサン役は石橋杏実さんでした。

ジェリー役同様ハイレベルなバレエの技術が求められる役ですが、バレエ経験が長い石橋さんは、今回、劇団四季作品でのヒロインとしては初のキャスティングで大抜擢ということらしいです。

 

ちょっと余談ですが、一緒に観ていた姉と姪っ子が、石橋さんが韓国の女優ハン・ジミンさんに似ている(顔というか雰囲気!?)と言い出したら、その後、もうずっとハン・ジミンさんに見えて仕方ありませんでした・・・。

 

 

私が個人的に注目したのは、マイロ・ダヴェンボート役の宮田愛さんです。

ルックスがすらりとしていて美しく、舞台栄えするのですが、彼女の雰囲気がマイロのキャラクターにぴったりな気がして(演技力なのでしょうね)、ものすごい存在感でとても惹きつけられました。

劇団四季「パリのアメリカ人」ストーリー(劇団四季の公式サイトより引用)

さて、ストーリーを少し紹介します。

劇団四季の公式サイトより引用させていただきました。

第二次世界大戦直後のパリ。

アメリカの退役軍人ジェリーは、暗い戦争の時代に別れを告げ、画家としての新たな人生を夢見ていた。ある日、戦後の混乱が収まりきらない街中で、ジェリーは一人の女性、リズに出会い、一目ぼれ。芸術に人生を捧げようとパリに残る決意をしたジェリーは、作曲家を目指すアダムと、ショーマンを夢見るアンリに出会い、友情で結ばれる。

後日、アダムに連れられてスケッチのために訪れたバレエスタジオで、ジェリーはリズと再会。オーディションでの彼女のダンスはその場の全員を魅了し、アダムも彼女に恋してしまう。しかし、彼らには知る由もなかったが、彼らの友人アンリにも愛する人がいて、その女性というのもまたリズであった。

図らずも、三人の男たち全員が一人の女性を同時に愛してしまうことに。そしてリズもまた、苦悩の中にあった。ナチス占領下のパリでアンリの一家に匿われた過去を持つリズは、アンリへの恩義と、自由な世界へ自分を連れ出そうとするジェリーに惹かれる気持ちの間で、激しく揺れ動く。求められていることをすべきなのか、心の声に従うべきなのか――。

新しい時代の息吹に輝くパリの街で、複雑に絡み合う若者たちの運命。悩み、衝突しながらも、ひたむきに夢を掴もうとする彼らの恋と友情の行方は……。

ストーリー Story|『パリのアメリカ人』作品紹介|劇団四季
一人の女性に恋をした、三人の男たち。 夢を追いかける若者の、ひたむきな人生の輝き。

劇団四季「パリのアメリカ人」舞台や物語の感想(ネタバレあり)

私は、映画「巴里のアメリカ人」も見たことがなく、どんなストーリーかも知りませんでした。また、劇団四季の作品としても新作なので、まだまだ認知度も低いみたいで事前情報もなかったことが、かえって、何の先入観もなく観ることが出来て良かったと思っています。

今回座席が前から6列目のど真ん中ですごい舞台から近く感じました。ダンスの迫力もすごくて、また、オペラグラスがなくても、役者さんの表情や、細かい動きがとてもよくわかり最高でした。今まで劇団四季の舞台をこんな近くで見たことがないので感激でした。

ただ、私の前に座っていた男性の座高が高くて、普通、椅子の背に頭が隠れているのに、なぜか頭がぽっこり視界に飛び出ていたのがうっとうしくて少しイライラしてしまったことはちょっと残念でしたけど。

 

面白いなと思ったのは、元々舞台セットはシンプルな感じなのですが、プロジェクションマッピングも使い、場面の転換時には、役者さん達が演技をしながら舞台セットを動かして変更して行くという演出でした。セットはシンプルなのに、場面場面の雰囲気がとても良い感じになっていて、作品のおしゃれな雰囲気を引き立てていました。

 

さて、物語の感想です。

リズは図々しいジェリーを最初嫌っていますが、明るくピュアなアメリカ人、ジェリーに次第に惹かれていきます。しかし、リズは恩義のあるアンリの愛を受け入れるべきと心が揺れています。

実はリズはユダヤ人で、彼女の両親はナチスドイツに捕らえられ、今も行方不明のままなのです。そんな彼女を匿って守ってくれたのが、アンリの両親である資産家のボーレル夫妻だったのです。

物語の中で、リズは何度も、「まわりが期待することと、魂が求めていることと、どちらに従うべきなの?」と自分に問いかけます。

それはジェリーとアンリ、どちらの愛を選ぶべきかだけではなく、バレエを踊ることについても心のどこかで本当にやりたいことかどうか疑問を持っていたのかなと思います。(←私が感じただけですが)

バレエダンサーを目指しているリズは、バレエのオーディションを受け、見事主役を射止め、とても喜んでいます。しかし、バレエを踊ることは魂ののぞみではなく、母親のためだったのかもしれません。リズの母親は有名なバレエダンサーでしたが、ナチスに捕まり行方がわかりません。リズは、そんな母親のために、自分が踊らなくてはいけないと思っていたのかもしれません。

 

公演の初日、控え室でうまく踊る自身がないというリズですが、ジェリーと一緒に踊っていることを想像しながら踊ったら、楽しく踊ることができ、公演は大成功に終わります。

このバレエのシーン、かなり長いのですが、ジェリー役の酒井大さんとリズ役の石橋杏実の息がぴったりで、美しすぎてうっとり見てしまいました。さすが実力あるバレエダンサーのお2人です。

公演は大成功で、リズの気持ちも決まります。リズは魂ののぞみに従って、ジェリーの元に走ります。

 

舞台が終わった後、姪っ子がちょっと物足りないかも、と言っていました。それは、バレエがとか歌がとかじゃなくて、この物語には「いい人」しか登場しないからだそうです。なるほど、そう言われてみるとそうかもしれません。

 

例えば、大富豪のマイロとか、韓国ドラマだったら(笑)、ヒロインをいじめたりする意地悪キャラに設定されそうですが、そうなっていません。

不本意にも(?)ジェリーを愛してしまい、ジェリーが自分から去るなら、リズのいるバレエ団への資金も引き上げるというようなことも言いますが、実際、マイロはそんなことはしません。

そんな感情より、マイロにとっては芸術を愛する気持ちの方が強くて、リズのバレエダンサーとしての才能も、ジェリーの画家としての才能も、アダムの作曲家としての才能も、とても評価していて心から守りたいと考えているのです。マイロは、お金持ちで、美しくて、情熱的で、素敵なキャラクターです。

 

それに、愛する人を取られてしまうアンリだって、嫌な奴にすることもできるけど、いたって良い人です。というか、私は、アンリ派で、最後まで「ジェリーじゃなくて、アンリだろ!」と心の中で叫んでいたのですが。

ジェリーから、戦争にも行ったことがない、金持ちのマザコン男呼ばわりされ殴り合いの喧嘩をするシーンがあります。アンリは金持ちのおぼっちゃまですが、のほほんと戦時中過ごしていた訳ではなく、ずっとレジスタント活動に参加していたのでした。ジェリーはそのことをアダムから聞かされるのですが、アンリはそう言ったことをジェリーに言うこともなく黙っていたのです。リズのことも別に束縛していないし、心から大切に思っています。アンリはいたって大人で、強くて優しくて男らしいキャラクターなのです。

 

確かに、みんないい人ばかりで物語は成り立っていますが、観終わった後とても幸せな気持ちになれたのでこれでいいかなと思います。

おわりに

劇団四季の「パリのアメリカ人」は8月11日まで、横浜のKAAT神奈川芸術劇場にて上演されています。劇団四季の新作ということで、様子を見ていて東京公演を見逃してしまった方は、ぜひ、横浜公演に行ってみてはいかがですか?

おしゃれで、音楽も素敵で、何よりも、華麗なバレエに魅了されること間違いなしです。観終わった後は、絶対幸せな気持ちになれますよ。

ミュージカル『パリのアメリカ人』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】
ミュージカル『パリのアメリカ人』のオフィシャルウェブサイト。 公演情報やチケット予約はこちらから。ストーリーや舞台写真、最新プロモーションVTRなどの作品情報も紹介しています。

 

KAAT神奈川芸術劇場は、みなとみらい線日本大通り駅から5分、みなとみらい線元町・中華街駅から8分ぐらいです。まだ新しくてとてもきれいな劇場です。

横浜山下公園や横浜中華街など横浜の観光名所も周辺にあり、観劇の前後に横浜観光も楽しめますよ。

KAAT 神奈川芸術劇場
演劇、ミュージカル、ダンスなどの舞台芸術専用の施設。芸術監督に、劇作家・演出家・俳優の長塚圭史氏を迎え、優れた舞台芸術作品を創造・発信しています。

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